プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスは、家族や仲良しグループのメンバーだけ使えるネットワークアドレスです。
逆に全世界で通用するIPアドレスはグローバルIPアドレスと言います。
プライベートIPアドレスは家、グローバルIPアドレスは外、とイメージするとわかりやすいと思います。


そうよ。家庭内や学校内で複数のパソコンを使っているならプライベートIPアドレスが使われているわ。
意味:プライベートIPアドレスとは仲間内だけのネットワーク
プライベートIPアドレスは、IPアドレスの種類のうちのひとつで、家庭内や社内などこじんまりとしたネットワーク内で使用するためのIPアドレスです。ローカルネットワーク内で使うことができて、自分たちでIPアドレスを勝手に決めることもできます。
ネットワーク内でパソコンやスマホを識別するためにそれぞれつけられます。
IPアドレスには2種類ある
簡単にIPアドレスの説明をします。くわしくはIPアドレスのページを見てみてね。
IPアドレスはネットワーク上でのコンピュータの住所のようなもので、ネットワーク上でそれぞれのコンピュータを識別するためにつけられるナンバーです。
IPアドレスの見た目
192.168.1.1
このIPアドレスには、2種類あります。
全世界で通用するグローバルIPアドレスと仲間内でのみ通用するプライベートIPアドレスの2つです。
グローバルIPアドレスは、インターネットに接続するために必要な文字通りグローバルなIPアドレスで、プライベートIPアドレスは家庭内や社内などの仲間内のネットワークで通じるIPアドレスです。
- グローバルIPアドレスインターネット上で接続するためのIPアドレス
- プライベートIPアドレスインターネットとは関係ない家庭内や企業内のネットワークで使うIPアドレス
ここでは、このプライベートIPアドレスについて説明していきます。
例を交えてプライベートIPアドレスを理解してみよう
プライベートIPアドレスは、家庭内だったり社内で使われるネットワークのIPアドレスです。そのネットワークを管理している人が自由に割り当てることができます。
自分たちのネットワーク内でそれぞれのプライベートIPアドレスが一意であればOK。一意とは、「重複せず、同じものが存在しない」という意味です。
なので、世界でも仲間内でそのIPアドレスを使っている人がいます。
「あれ?IPアドレスは重複しちゃダメで、世界でそれぞれオンリーワンじゃないといけないんじゃないの?」と思ったら良い質問です。
世界でそれぞれオンリーワンじゃなければいけないのはインターネット上での話です。インターネットに接続するために使用するIPアドレスはグローバルIPアドレスです。
ホテルでたとえてみよう
たとえばネットワークがホテルだとして、そのホテルの中の101号室や102号室がプライベートIPアドレスだとします。
同じホテルの中では、同じ番号の部屋があったら混同してしまいますね。101号室は必ず1つでなければなりません。
でも世界中のそれぞれのホテルに101号室があります。混同してしまいますか?
しませんね。同じホテル内で同じナンバーの部屋があったらややこしいですが、よそのホテルに101号室があろうが関係ありません。
このように、自分たちのネットワークの中で重複せずにそれぞれを識別できれば問題ないわけです。
プライベートIPアドレスはインターネット接続できない
プライベートIPアドレスではインターネットに接続することはできません。あくまでインターネットとは関係のない仲間内のネットワークで通用するIPアドレスです。
プライベートIPアドレスを割り振られたコンピュータでインターネットに接続する時は、プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換してから接続します。
これはルーターという機器がコンピュータとインターネットの間に立って、NATとかNAPTという技術を使って変換してくれています。
プライベートIPアドレスが生まれた理由
プライベートIPアドレスが生まれた背景にはIPアドレスの枯渇問題があります。
約43億個もあるIPアドレスですが、60億人以上が住む世界規模で使われるのでこれでは全然足りないのです。
インターネットが急速に成長したことでIPアドレスを必要とする機器が急増し、これではすぐにグローバルIPアドレスが尽きてしまう…
そこでプライベートIPアドレスを作ろうということになりました。
インターネットに接続していないプライベートなネットワークではプライベートIPアドレスをコンピュータに割り当てるようにしたのです。
プライベートIPアドレスのおかげでインターネットに接続していないネットワークがグローバルIPアドレスを使用したり、端末1つ1つにグローバルIPアドレスを割り当てるなどの無駄遣いがなくなりました。
複数のパソコンの識別にプライベートIPアドレスが必要
みなさんの家庭内や社内では、プロバイダとの契約が1つだけで複数のパソコンがインターネットに接続していませんか?
プロバイダとの契約が1つなら、グローバルIPアドレスは1つ。
ではどうやってグローバルIPアドレス1つで複数のコンピュータがインターネットに接続しているんでしょうか。
これはさきほども登場したルーターに代表としてグローバルIPアドレスを割り当てることで実現しています。
インターネットと接続しているのは実質ルーターのみで、インターネットと家庭内ネットワークにあるコンピュータとの間に立ってやりとりをしてくれています。
このルーターがインターネットとやりとりをする時に、「家庭内のどのコンピュータから要求が送られているのか」、また「ネットワーク内のどのコンピュータにインターネットからの応答を返せばいいのか」見分けなければいけませんね。
この時、ルーターが家庭内の複数のコンピュータを識別するためにプライベートIPアドレスが必要なのです。
これによって1つのグローバルIPアドレスで複数のコンピュータがインターネットに接続できるんですね。
まとめ
- プライベートIPアドレスは、家庭内や社内のネットワークで複数のコンピュータを識別するために使用される
- そのネットワーク管理者がコンピュータに自由に割り当てられる
- プライベートIPアドレスではインターネットに接続できない
- インターネットに接続する時は、グローバルIPアドレスに変換してから接続する
- ルーターに代表としてグローバルIPアドレスを割り当てることで家庭内の複数のコンピュータがインターネットに接続できる

うーん、なんとなくわかったような…

難しく考えずに、家庭内ネットワークでそれぞれのコンピュータを識別するためのIPアドレスだと思っておけばOKよ。
家庭内や社内?わたしたちが通う学校でもプライベートIPアドレスが使われているの?